第二種電気主任技術者 一次試験 理論の試験範囲と出題形式|独学の進め方
第二種電気主任技術者試験は、一般財団法人 電気技術者試験センターが実施する国家試験です。試験は一次試験と二次試験に分かれ、一次試験は理論・電力・機械・法規の4科目で構成されます。この記事が扱うのは、そのうちの理論科目です。三種を終えて二種に進む場合、最初に手を付ける科目として理論を選ぶ人が多く、電力・機械の計算の土台にもなります。公式に掲載されている範囲・出題形式・合格基準を確認したうえで、独学で進めるときの順番を整理します。
試験範囲
公式に掲載されている一次試験 理論科目の範囲は「電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測に関するもの」です。三種の理論と文言そのものは同じですが、問われる深さが異なります。二種では計算の途中で微分・積分やベクトルの扱いが求められ、記号法による回路解析を前提に問題が組まれます。
範囲の4語に対応させると、学習の対象は次のように分かれます。
- 電気理論:静電界と磁界、直流回路、単相・三相交流回路、過渡現象、分布定数回路、非正弦波交流
- 電子理論:半導体デバイス、増幅回路と演算増幅器、電子の運動
- 電気計測及び電子計測:測定量と測定法、ブリッジ、誤差と精度の扱い
一次試験の他の3科目は、電力が「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路」、機械が「電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱」、法規が「電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理」で、対象となる設備や法令で区切られています。理論だけが現象と数式そのものを扱う科目です。
なお一次試験に合格すると二次試験(電力・管理、機械・制御/記述方式)に進みます。二次試験は同じ年度の一次試験の合格者と一次試験免除者だけが受験できます。理論の学習は、この二次試験の計算にもそのまま効いてきます。
出題形式
一次試験の解答方式は、第一種試験・第二種試験ともにマークシートに記入する多肢選択方式です。第二種の理論科目の解答数はA問題が4題、B問題が3題で、B問題の3題は選択問題を含んだ解答数として公表されています。
試験時間は、令和8年度の時間割では9時15分から10時45分までの90分です。集合時刻は8時55分まで、入室禁止時刻は9時45分と定められています。同じ日に電力(11時25分〜12時55分)、機械(14時15分〜15時45分)、法規(16時25分〜17時30分)が続きます。
合格基準点は、第一種・第二種電気主任技術者試験委員会において決定され、試験センターのホームページで公表される形です。年度ごとに決まるため、あらかじめ何点と決まっているわけではありません。実績としては、令和7年度の第二種一次試験では、各科目の合格は90点満点の理論科目54点以上、電力科目54点以上、機械科目54点以上、法規科目54点以上と決定されました。この年度の水準を目安に置きつつ、余裕を持った得点計画を立ててください。
一次試験は科目ごとに合否が決まります。4科目のうち一部の科目だけ合格した場合は科目合格となり、翌年度と翌々年度の試験で申請によりその科目の免除を受けられます。つまり3年間で4科目に合格すれば、二次試験の受験資格が得られます。理論から順に片付けていく計画が立てられるのは、この制度があるためです。
令和8年度は、一次試験が2026年8月30日(日)、二次試験が2026年11月15日(日)に実施されます。受験手数料は13,800円(非課税)で、受験する科目数にかかわらず同額です。
独学の順番
理論は積み上げの科目です。範囲表の並び順ではなく、前提の少ないものから進めます。
- 三種の理論の計算問題を、解ける状態に戻します。オームの法則、キルヒホッフの法則、テブナンの定理、力率までが手を止めずに出てくるかを先に確かめます。ここが怪しいまま二種の問題に入っても、解説が読めません。
- 記号法による交流回路の解析に進みます。複素数によるインピーダンスの扱い、フェーザ図、共振、四端子回路までを一続きで押さえます。二種の理論の中核で、B問題の題材にもなります。
- 三相交流と対称座標法に入ります。Y結線とΔ結線の関係を1相分に直して考える手順に加えて、不平衡の扱いまで踏み込みます。ここは電力の故障計算にも直結します。
- 過渡現象を進めます。RL回路・RC回路の微分方程式を立てて解く形が基本で、時定数の意味を式から説明できる状態を目標にします。
- 静電界・磁界、電子理論、電気・電子計測を回します。出題の型が限られる分野なので後半に置けますが、演算増幅器とブリッジ回路は落とすと差が付きます。
よくあるつまずき
三種の解き方のまま入ってしまう。 二種の理論は、公式に数値を入れて答えを出す形の問題が減り、式を立てて変形する過程が問われます。三種で通用した暗記中心の進め方は、そのままでは続きません。
微分・積分とベクトルを避けて通ろうとする。 過渡現象と交流回路の解析はこの二つが前提です。数学だけ別に時間を取ってでも、先に通しておいた方が結果的に早く進みます。
B問題を後回しにする。 B問題は小問で構成され、前半を落とすと後半も連鎖して失点します。解答数が少ない分、1題あたりの重みが大きくなります。
科目合格制度を当てにして薄く広く進める。 3年間の猶予はありますが、免除期間が切れると振り出しに戻ります。理論を仕上げてから次へ進む形の方が、結果として総時間は短くなります。
この資格の問題集
現場道場では、第二種電気主任技術者 一次試験 理論の問題集を160問収録して公開しています。本番と同じ出題形式で、解いたあとに範囲別の到達度が出るため、交流回路と過渡現象のどちらが弱いのかをそのまま切り分けられます。
問題文はすべて当サイトのオリジナルです。買い切りで、月額の課金はありません。内容を改訂しても追加料金はかかりません。第1回は登録不要でずっと無料で解けるので、出題形式が合うかを試してから判断してください。価格は3,980円(税込/税抜3,618円)です。
詳細は第二種電気主任技術者 一次試験 理論の問題集をご覧ください。
出典
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気主任技術者の試験概要」 https://www.shiken.or.jp/chief/second/overview/ (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「第二種電気主任技術者試験」 https://www.shiken.or.jp/chief/second/ (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和8年度第一種・第二種電気主任技術者試験 受験案内」 https://www.shiken.or.jp/chief/upload/20261511r8fsannai.pdf (2026-09-09 確認)
- 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和7年度第一種及び第二種電気主任技術者試験一次試験の結果について」 https://www.shiken.or.jp/ecee-overview/news/upload/144R7denkenFSkekka.pdf (2026-09-09 確認)